私ども燐光群は、坂手洋二作・演出による『屋根裏』を5月2日より東京にて上演、その後 岡山・松山・大阪・名古屋・新潟と国内ツアーを行います。
……現在、あるいは近未来。誰が発明したのか、世間から「ひきこもり」とされる人々が、それぞれ自ら閉じ籠もるための「パッケージ空間」である「屋根裏」が、商品として、秘密情報による譲渡の対象として、世間に流通しはじめます。
それぞれの「屋根裏」の極小空間から発信されるメッセージ、呼応しあうように起きる事件の数々……。
その「屋根裏」に引きこもる者たちどうしの奇妙な連帯感。「屋根裏」発明者を探索する男。そして巻き起こる、さまざまな場所での、それぞれの「事件」…。
2002年5・6月、燐光群は『屋根裏』をアトリエである梅ヶ丘BOXで初演いたしました。
現代社会の問題の一つとされている「ひきこもり」という現象を、互いに乱反射するシーン展開と豊かなイメージの連鎖により、全く新しい視点新たな視点から描き出した本作は、たちまち大きな注目を集め、二ヶ月後には最初の追加公演をおこない、その後も日本各地で上演を続けてきました。
なお、本作は早川書房創立60周年記念 ハヤカワ演劇文庫『坂手洋二 I 屋根裏/みみず』として出版されており、さらに英語・フランス語・イタリア語・韓国語等で出版されています。
また、'03年、NHK教育テレビ「芸術劇場」において収録・放送されています。
さらに、2011年にはインドネシア・韓国から俳優を招き全キャストをシャッフル、インターナショナル・リミックス・バージョンとして、五カ国語の入り交じる『裏屋根裏』として上演しました。
今回は国内ツアーの後、ヨーロッパツアー(シビウ[シビウ国際演劇祭正式招待]・ブカレスト 他)を予定しております。
劇団外からは、「夢の遊眠社」で活動後、舞台以外にも映画・ドラマと幅広く活躍中の円城寺あや、韓国から坂手の演出によるソウル版『屋根裏』に出演したイ・ジュウォン、燐光群への出演も本作で4作目となる、DULL-COLORED POPの東谷英人ら魅力的な客演陣を迎えます。
日本の「現実」に向き合い、硬質な作品をつくりだしてきた坂手洋二と燐光群が、ミニマムな空間を武器に、かつてない手法で描く今作品にご期待ください。