お詫び


燐光群が2021年に上演した『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』(以下、本作とします)の台本を、主宰である私が執筆するに当たり、片山夏子氏(以下、「片山氏」といいます)の著書『ふくしま原発作業員日誌  イチエフの真実、9年間の記録』(朝日新聞出版)を用いさせていただいたにもかかわらず、片山氏に対し、事前に台本に著書を使うことを説明せず、なおかつ台本完成後も著書のどの部分をどう利用したかを説明しないまま、公演直前に台本を送り、十分に内容を確認していただくだけの時間を確保できない状態になってしまい、承諾をいただく手続と、承諾をいただく際の意思確認が不十分でした。


事前に説明をしないまま広範囲にわたり著書を用いさせていただき執筆した際、片山氏の取材対象者であった複数の方の発言について、創作上の人物像とする意図から、複数の方の発言を一人の発言としたり、一人の方の発言を複数の登場人物のセリフとしたことは、私が片山氏に無断で行ったことです。その結果、証言されたご本人の意に反する事態を生じ、ご本人を深く傷つけてしまいました。これらは、原発事故後の取材がどれだけ過酷なのか、原発作業員の方々との信頼構築がどれほど繊細なものなのかについて、私の認識が足りなかったことに起因するものであり、片山氏との関係性から、著書を用いさせていただくことについて甘えがあったことによるものです。


上のような結果になったことに対し、著者である片山氏、さらには証言された方々、中日新聞東京本社(東京新聞)、朝日新聞出版に対して、心からお詫び申し上げます。

本作については、今後、再上演、出版は致しません。

 

                                       2022年10月13日

                                          燐光群主宰 坂手洋二