過去の上演作品[2006-2010]

トップページへshapeimage_2_link_0
 

I sent two thousand of them from Kyoto.

 

京都から二千匹発送しました。

清水弥生

演出小山笑子

芸術監督坂手洋二


<東京>2009年4月30日(木)〜5月17日(日) (期間中の木曜から日曜のみ上演)梅ヶ丘BOX

 

09/04/30

CAST>

竹本智子 ……………………… 中山マリ

竹本康雄 ……………………… 川中健次郎

竹本愛子 ……………………… 横山展子

竹本トモ ……………………… いずかしゆうすけ

ケイタ ………………………… 小金井篤

サイキミチル ………………… 阿諏訪麻子

サイキタケシ ………………… 杉山英之

アゴウ(教頭) ……………… 鴨川てんし

ヒロキ ………………………… 伊勢谷能宣

トッポ ………………………… 安仁屋美峰

フライトアテンダント ……… 吉成淳一

三十三間堂オバ ……………… 桐畑理佳

二千匹 ………………………… 鈴木陽介

声の出演……………………… 根兵さやか


STAFF>

照明竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
美術○じょん万次郎
音響協力○内海常葉
舞台監督○猪熊恒和
照明操作○武山尚史
音響操作○樋尾麻衣子
イラスト・題字○沢野ひとし

Company Staff○宮島千栄 西川大輔 大西孝洋 向井孝成 秋葉ヨリエ 久保寺淳子

ナイル・サルキジアン  永坂悠  橋本浩明 村松みさき 矢部久美子 渡辺文香
協力○高津映画装飾株式会社 吉嗣敬介
    吉本知世 板橋麻里恵 太田小百合 岡野彰子 細山萌子 八代名菜子 
制作○古元道広 近藤順子

あの日、学校で「事故」は起きた。

眠ったままの少女と、家族、関係者たちの、

「真実」を求める旅が始まった。

……目覚めよ、そして、起ち上がれ。

いつかこんなことがあったねと、笑いあえる日のために。

本日はご来場頂きましてありがとうございます。
清水弥生


 今回、この物語を書いたのは、2003年、須賀川市立第一中学校の柔道部部活動中に起こった事故の、被害者である女生徒のご両親と出 会ったことがきっかけになっています。

 初めてお会いした時のご両親の印象は、自分たちの家庭をこつこつと堅実に築いてきた方達なのだということでした。この「普通」の家族 が、県、市、学校、加害者の少年を相手取っての裁判というものに向かう過程、その中での苦労、家族の内面の葛藤は計り知れないものがあっただろうと感じま した。自分たちが置かれた状況の中で必死に、介護が必要になった娘さんとともに新たな日常を築いている、この家族のどこか明るい強さに対する新鮮な驚きと 興味が、この企画を立ち上げる原動力となっています。
 相手の痛いところにわざわざ触れるような気持ちで、おそるおそる手を伸ばしていった及び腰での取材の始まりでした。話を聞くにつれ、この事件によって露 呈した学校という社会のある閉鎖された陰湿な部分、それによってご家族が受けた大きな傷の深さに身体が震えました。それでも、このご家族が、人に対する信 頼と、あたたかさを失わずに済んだのは、金銭的にではなく、様々な形でこのご家族を支えようとする人たちとの出会いがあったからだということをお聞きしま した。娘がその人たちに出会わせてくれたことを感謝している、ということも。自分たちのことが何か参考になるなら、と快く私の質問に答えてくださったお母 様に、ただただ感謝の気持で一杯です。
 下敷きになっている事件の裁判は、今年の3月に判決が出ました。原告である家族の側の主張がほぼ認められた、全面勝訴という形で終っています。勝訴と 言っても娘さんの意識は回復するわけでなく、娘さんとともに家族の生活はずっと続いていきます。

 この芝居は私が取材を通して得た実感をもとに、現実にあった要素を多分に採り入れつつ、設定からして大胆なフィクションにしていま す。
厳しい現実を吹き飛ばすくらいの前向きなエネルギーを劇場にいる皆さんにお届け出来れば幸いです。