過去の上演作品[2011-]

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Ura YANEURA

 

裏屋根裏

作・演出坂手洋二


<東京>2011年3月20日(日)〜31日(木) 下北沢ザ・スズナリ

11/03/20

これは発明なんだ

今も誰かが

あの屋根裏に立て籠もっている

そう考えただけで

もう一日生きてみようかと思うことができる

そういう発明なんだ


世界一小さな舞台空間から発信する「超演劇」。

演劇を再生させる圧倒的「事件」。

読売文学賞・紀伊國屋演劇賞[個人賞]・読売演劇大賞[最優秀演出家賞]受賞。


燐光群オリジナル・バージョンのワールド・ツアーに加え、アメリカ、フランス、韓国、オーストラリア等、世界各国のスタッフ・キャストにより上演されてきた『屋根裏』。海外俳優とのコラボレーションによる、インターナショナル・リミックス・バージョン登場!

CAST>


トニー・ブルール …… 兄

ユン・サンファ ……… 刑事1 素浪人1 死体 息子 戦闘服1

イ・ジュウォン ……… 帽子の男

洪明花 ………… キャスター1 青い帽子の若者

小山萌子………… 若い女 白い女

中山マリ ………… 父 女 婦人 ウメさん

川中健次郎 ………… 主任 紳士 母 タケさん

鴨川てんし ………… 中年男 マッちゃん

猪熊恒和 ………… バイヤー つなぎの男 松葉杖の男

大西孝洋 ………… 刑事2 素浪人2 青年 戦闘服2

杉山英之 ………… ハセガワ 若い男

松岡洋子………… キャスター2 先生

樋尾麻衣子 ………… 少女

安仁屋美峰 ………… 女

武山尚史 ………… 少年(Wキャスト)

鈴木陽介 ………… 少年(Wキャスト)

橋本浩明 ………… 赤い帽子の若者

桐畑理佳………… ぬいぐるみの女(Wキャスト)

横山展子 ………… ぬいぐるみの女(Wキャスト)

根兵さやか ………… もと屋根裏族



STAFF>


照明竹林功(龍前正夫舞台照明研究所) 

美術じょん万次郎 

舞台監督高橋淳一 

衣裳大野典子

美術協力加藤ちか 

音響じょん万次郎・内海常葉 

音響協力島猛(ステージオフィス)

音響操作牧野宏美 

文芸協力ソン・ミヘン 清水弥生 久保志乃ぶ

韓国語翻訳・コーディネート木村典子 

インドネシア語台本[翻訳]トゥグ・ハリ

インドネシア語台本[監修]野村羊子 グナワン・マルヤント 

インドネシア語通訳横須賀智美 

英語訳リアン・イングルスルード 常田景子 

宣伝意匠川名潤(pri graphics inc.)

協力ユニークポイント (有)宝井プロジェクト エンパシィ 国際交流基金ソウル文化センター

高津映画装飾株式会社  コリナ・ケラル  ミハイ・テオドラ  赤須令奈  合地春菜  酒井一途  高子香

戸塚治虫  山崎蝶子  吉本知世 

Company Staff○西川大輔  向井孝成  宮島千栄  秋葉ヨリエ 

制作古元道広・近藤順子


助成東京都

文化芸術振興費補助金(芸術創造活動特別推進事業) 

『裏屋根裏』上演にあたって


 本日劇場に足を運んでくださった皆様に心から感謝いたします。


 東日本大震災発生から続く状況の中で、被災され、今なお危機下にある方々の安泰を願い、また、犠牲となり失われた多くの命の冥福をお祈りしております。

 この間、燐光群劇団員・関係者・『裏屋根裏』に関わるゲスト・スタッフとも、無事に過ごしています。国内外からの激励とお気遣いに、深く感謝します。

 三月公演『裏屋根裏』につきましては、周囲のさまざまな情勢から、上演について、多くのお問い合わせをいただいておりますが、劇場・関係者とも討議を重ねた末、予定通り上演を行う方向で準備を進めてきました。被災地の関係者の方々からも、逆に多くの応援と激励をいただいています。

 安全管理につきましては、通常公演にも増して、入念な確認を行っています。また、上演中に何らかの異常事態が認められましたら、安全を重視し、主催者の責任として、即座に中断・中止を判断する所存です。

 世田谷区の、このザ・スズナリ劇場のある地域は、「計画停電」の対象になっていません。しかし、できる限り節電に協力します。必要に応じて、暖房等は最小限に留めることがありますが、ご理解ください。

 また、幸いこの『裏屋根裏』の上演は、きわめて狭い舞台セットであるため、照明の電気使用量が通常の小劇場演劇の四分の一から五分の一くらいであり、電力の使用量は抑えることができています。

 いまだかつて体験したことのない状態に直面していますが、私たち演劇人は、お客様と共に、演劇を通してものを感じ、考え、行動してゆくことが本分です。直接的に生命の不安に晒されるわけではなく、地域社会全般の活動が維持されている状態である限り、私たちの交流の場である劇場で、活動を継続していきたいと思います。

 もちろん、社会全体が生命・基本的生活の維持のため、非常事態に対応して動くことを要求される場合になれば、即座に対応したいと思っています。皆さまにご理解いただけますよう、お願い致します。


 なお、劇場ロビーでは、「非戦を選ぶ演劇人の会」による、震災被災地への義援金を募っています。ご協力をお願いいたします。


                  2011年3月18日  燐光群 代表・坂手洋二

当日配布パンフレットより


本日はご来場ありがとうございます

坂手洋二


『屋根裏』は、劇団オリジナル版の海外ツアーを重ね、海外版もさまざまな場所で作られている。昨年のフランス・ロン=ポワン劇場版も充実した内容だった。そして、私自身も五年前、オーストラリアで初めて海外での演出を体験した。『屋根裏』の旅はこれからも続くだろう。そして一昨年夏、ソウルのアルコ芸術劇場が<坂手洋二フェスティバル>を開催してくれて、その中で韓国版『屋根裏』を演出した体験は、たいへん貴重であった。そこで出会った素敵なメンバーと、劇団オリジナルメンバーを出会わせたかった。そして、昨秋、ジャカルタでのリーディングでインドネシアに初めて紹介されたこの作品を、もともと日本で観てくれていたトニー・ブルールが、久しぶりに参加することになった。さらに小山萌子・洪明花が加わり、私たちにしかできない<国際合作>をお見せできることになった。

9年めの上演となる『屋根裏』だが、東京ではずっと私たちのアトリエである<梅ヶ丘BOX>での上演だった。今度は初めて、都内劇場での公演となる。私自身とザ・スズナリとの三十年のおつきあいの記憶と、燐光群と『屋根裏』という劇の歴史が交錯し、さまざまな地方・海外での公演を経たこの劇ではあるが、その意味でも、とても新鮮な気持ちである。初演からの劇団員キャストもほぼオール・シャッフルして新たな役に挑んでいる。

今回、タイトルに「裏」をつけたものの、たいへんまっとうな、この劇本来の姿に見合った公演になってきているという気がしている。


たいへんな時期ではありますが、二時間余、「屋根裏」の裏側から、世界を覗いてみてください。

これが私たちの時代です。そして、皆さんと一緒に、これからを、未来を、見つけてゆきたいと思います。