05/07/06

CAST

女1・オーリガ（アンフィーサ）……　中山マリ
女2・マーシャ　…………………　立石凉子
女3・イリーナ　…………………　神野三鈴

人質1・クルイギン　……………　鴨川てんし
人質2・アンドレイ　……………　猪熊恒和
人質3　……………………………　久保島隆
人質4・ヴェルシーニン　………　大西孝洋
人質5　……………………………　杉山英之
人質6・ナスターシャ　…………　江口敦子
人質7・ソリョーヌイ　…………　下総源太朗
人質8・トーマス　………………　JOHN OGLEVEE
人質9・チェブトゥイキン　……　川中健次郎
人質10　…………………………　宇賀神範子

占拠者1　…………………………　裴優宇
占拠者2　…………………………　向井孝成

占拠者たち　………………………　樋尾麻衣子　宇賀神範子　内海常葉
　　　　　　　　　　　　　　 　  工藤清美　阿諏訪麻子　安仁屋美峰
　　　　　　　　　　　　　　 　  市川実令　尾形聡子　坂田恵
　　　　　　　　　　　　　　 　  椙本貴子　塚田弥与以　中川稔朗
　　　　　　　　　　　　　　 　  樋口史　樋口美恵　松山美雪

若い女　……………………………　宇賀神範子
若い男　……………………………　小金井篤
中年男　……………………………　内海常葉

アナウンサー　……………………　樋尾麻衣子

STAFF

照明＝竹林功（龍前正夫舞台照明研究所）
音響＝島猛（ステージオフィス）
音響操作＝岩野直人
舞台監督＝森下紀彦・高橋淳一
美術＝じょん万次郎
衣裳＝宮本宣子
殺陣指導＝佐藤正行
演出助手＝吉田智久・清水弥生・福田望
文芸助手＝久保志乃ぶ・圓岡めぐみ
舞台写真＝大原狩行
宣伝写真＝竹中圭樹
チラシ写真＝酒井文彦
宣伝意匠＝高崎勝也
Company Staff ＝桐畑理佳・塚田菜津子・亀田ヨウコ
制作＝古元道広・近藤順子
制作助手＝宮島千栄・藤木亜耶・小池陽子
協力＝円企画　高津映画装飾株式会社　Ｃ−ＣＯＭ
　　　東京衣裳株式会社　青年劇場
　　　常田景子　香取智子　山本哲也
　　　河本三咲　小林優　園田佳奈
　　　高本愛子　寺島友理子　増永紋美
　　　宮島久美　召田実子　八代名菜子

　

平成17年度文化庁芸術団体重点支援事業

■当日配布パンフレットより

チェーホフがよくわからない。
戯曲を読んでも、芝居を観ても、わからないことだらけ。
まず、あの頃ロシアの人たちがどのように生きていたかということ、当時のあの国の常識が、現在の私たちの暮らしとかけ離れている。
登場人物はみんな、なぜあんなに喋るのか。誰かが喋り終えると、また別な誰かが喋り出す。脈絡があるようでないような……。そしてこの人物はなぜこんな行 動をするのか。なぜこのタイミングでそのことをするのか。謎ばかりだ。
以前『三人姉妹』の正統的な上演を経験した人に説明されれば「なるほど」と思う。だが私は相変わらず多くの誤解をしていると思う。
『三人姉妹』に関しては、日英含めて幾つかの翻訳をおおいに参考にさせて頂いたが、あまりにねじ曲げているので、「参考にさせて頂いた」とお断りするのも はばかられる次第だ。ご容赦頂きたい。

この劇の構想を得たのは、昨年コロンビアに旅したときだ。
外務省のコロンビア案内にはこう書いてある。「同地域への渡航は延期することをおすすめします」。危険度マークの表示は三段階目の色を示している。麻薬や プランテーション、石油などでアメリカとの関係も緊張を孕んでいる。国民解放軍、革命軍などの非合法武装勢力等のゲリラ、右翼非合法武装集団、治安当局も 入り乱れて対立している複雑な状況だ。年間三千人が誘拐されている「誘拐大国」である。そのまさに「誘拐の危険あり」の危険地域に、五日間いた。そのと き、チェーホフを上演している劇場の話を考えた。
最初はコロンビアを想定した架空の国を舞台にしようかとも思ったが、そうならなかった。構想がどのように変化したか、ご覧いただきたいと思う。

坂手洋二