過去の上演作品[2001-2005]

トップページへshapeimage_2_link_0
 

THE  ZOO STORY

 

燐光群アトリエの会

動物園物語

作=エドワード・オールビー

訳・演出=青井陽治  

芸術監督:坂手洋二


<東京>2004年1月8日(木)〜18日(日) 梅ヶ丘BOX

04/01/08

出て行け! 行け! 警告する! 出て失せろ、僕のベンチから!


『動物園物語』は何故
『ジェリーと犬の物語』ではなく
『動物園物語』なのか?
『動物園物語』は何故
『動物園物語』だが
『ピーターとジェリーのラヴ・ストーリー』なのか?
20世紀後半の世界演劇を決定づけた
小さな大傑作に
熱く、素朴にアプローチ!!

CAST>

ピーター …… 大西孝洋
ジェリー …… 瀧口修央 


STAFF>
美術=二村周作
照明=竹林功(龍前正夫舞台照明研究所)
音響=島猛(ステージオフィス)
衣裳=大野典子
演出助手=吉田智久
照明操作=内海常葉
音響操作=江口敦子
進行助手=亀ヶ谷美也子
ピアノ演奏=稲本響“New York Shower”より“The Park”
宣伝意匠=高崎勝也
宣伝写真=桜井としき(パルテノンスタジオ)
舞台写真=大原拓
Company staff=中山マリ 川中健次郎 鴨川てんし 猪熊恒和 下総源太朗 向井孝成  
      宮島千栄 樋尾麻衣子 宇賀神範子 裴優宇 桐畑理佳 工藤清美 久保志乃ぶ
      久保島隆 杉山英之 小金井篤 塚田菜津子
制作=古元道広・国光千世・大場さと子・川崎百世
コーディネーター=マーティン・ネイラー
協力=(株)カンパニー・ワン 高津映画装飾株式会社
   寺島友理子 宮島久美 櫻井千恵 岡野彰子 今井由紀 箆津侑子   
      圓岡めぐみ 吉村敦子 仲川百合子 本城典子 赤沼かがみ


平成15年度文化庁芸術団体重点支援事業

当日配布パンフレットより


初夢・・・・・

17歳で出会った戯曲。
19歳で初めてその舞台を見た。
20歳で演じた。
何故、『動物園物語』の原語のペイパーバックが、小倉の本屋にあったのだか、わからない。
アートシアター新宿文化。夜9時30分からの舞台は、既に、三演目に入っていたと思う。今でいう単館ロードショーの走り。映画が終った後、30分で、仕込み替えして、観客を入れ替えた。そこで見た数々の舞台は、伝説というより、今や神話だ。
小さな俳優教室でのジェリー体験は、メソード演技との遭遇でもあった。日本の現代劇の演技が本当に正しくなるためには、戯曲から(時には翻訳から)変わらなくてはいけないことを知らされた。
それから35年。
「国語の時間」の理解を、そのまま演じることで滅びてしまった新劇を、「演劇の時間」に、再びはばたかせる。
そう願ってしてきたことの積み重ねを、やわらかく反映させたいと念じているが・・・・やはり、この戯曲は手強い。
でも、味方がいる。
梅ヶ丘BOXの空間。
坂手さんの勇気。
燐光群の皆さんの献身。
35年ぶりの宿題提出が、新しいムーヴメントの始まりになりますように!


青井 陽治


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


ご来場ありがとうございます


 昨年夏『象』の上演後だったと思う。燐光群による梅ヶ丘BOXでの上演に関心を持ってくださった青井陽治さんが「ここで『動物園物語』をやりたい」と言ってくださったのは、このアトリエを開かれた場所にしたいという希望を持つ私たちにとって、願ってもないことだった。しかも青井さんご自身の新訳による、今までの上演とは一線を画した、「これぞ決定版」というべき『動物園物語』なのだ。
 オルビーの初めての作品である本作は、日本ではなぜかベケットやイヨネスコと並べられ、「不条理演劇」という枠の中で語られてきた面があると思う。
 私は、「不条理」という言葉を、あまり安易に使ってはならないと思ってきた。「不条理」と名乗れば「なんでもあり」になってしまうからだ。特に演劇に於いては、俳優自身の生きた言葉と行為であるものを「不条理」で片づけられてはかなわないと思うのだ。
 青井さんの強い意志と導きによりこの劇に挑む二人の俳優にとっても、この上演は新しい体験であろう。
 「不条理」とはまったく違う、整合性があり具体的な、的確さと情熱が求められる「生きた劇」としての『動物園物語』が出現しようとしている。


坂手 洋二